第170回の直木賞に輝いた「 ともぐい 」
この記事では「 ともぐい 」について次の事を深掘りしていきます。
- ともぐい のあらすじネタバレ紹介
- 売り切れ続出の書店事情
- 電子書籍なら格安で読める!
- 70%OFFで読む方法
「 ともぐい 」って、一見すると不吉なタイトルです。
果たしてどんな作品なのか、まずは、あらすじやネタバレを紹介します。
著者 | 河崎 秋子 |
発売日 | 2013/11/20 |
出版社 | 新潮社 |
ページ数 | 304ページ |
Amazonカスタマーレビュー | ☆☆☆☆ |
「ともぐい」ネタバレあらすじ
注意! ネタバレ有り
河﨑流動物文学の最高到達点、Amazonの作品紹介ではこう評されています。
激しく心揺さぶる作品の登場人物を紹介します。
登場人物
熊爪 | 主人公。 人との関わりを疎ましく思っている。 一匹狼のように集落との接触を避けて山で生きていた。 動物についての知識が豊富で、よく人を動物に例える。 |
良輔 | 熊爪が唯一関わりを持つ集落の住民。 集落で一番裕福。 熊爪が捉えた獲物の肉を買い取ったり、 熊爪本人を気遣ったりしている。 |
陽子 | 良輔の家に住んでいる謎めいた盲目の少女。 |
太一 | 熊爪が山で出会った怪我を負った男 巣を持たない熊、「穴持たず」を追いかけていたが、熊に襲われた。 |
茶色い犬 | 熊爪の相棒 |
あらすじ
舞台は明治中期の北海道・白糠(しらぬか)の山中。
狩人として生きる主人公、熊爪は、集落を避けて山で暮らしていました。
狩りに挑む時、熊爪には特有のこだわりがあります。
- 獲物が生き生きとしている瞬間を狙う
- その方が美味いから
弱ったところを狙う
そんな狩りの定石を度外視する攻撃的、かつ野性的な一面です。
熊爪自身も集落との関わりを避けていますが、人間味の欠落した彼を集落の人々も差別し、避けていました。
その中で唯一、良輔だけが彼から肉を買い取り続け、関心を示します。
良輔は集落の中でも裕福な人物ですが、熊爪を蔑む事もしませんでした。
そして、良輔の家に住む盲目の少女、陽子も、集落の人間たちとは一線を画す変わり者で、異質な存在です。
異質なもの同士、お互いに関心を持つ
希薄ながら人との関わりを持ちつつも送る、野性的な山での生活。
日々に満ち足りていた熊爪でしたが、彼の日常を大きく変える出来事が起こります。
山中で怪我を負い動けなくなっている男、太一と出会い、彼が、冬眠をしていない熊、
「穴持たず」
を追いかけてここまで来たことを、熊爪は知りました。
熊爪は太一を不本意ながら助けることになります。
熊爪が支配するこの山で、「穴持たず」にこれ以上の好き勝手を許さない、という激しい怒りが、そうさせたのでした。
熊爪: なんとしても
「穴持たず」を生かしておけない
熊爪の怪我
熊爪は「穴持たず」を討ち果たす為執拗に追います。
その中で、また別の2頭の熊の戦いに遭遇し、巻き込まれます。
死闘の末に「穴持たず」を打ち倒す熊爪でしたが、まさに食うか食われるかという3頭と一人の戦いの中で、遂に熊爪自身が命を諦める瞬間に追い詰められました。
しかし、それでも奇跡的に熊爪は命をとりとめます。
その代償は、骨盤の骨折という、猟師としての自分を保てない程の重症でした。
猟師でなく、人間でもないなら、
自分は獣なのか
熊爪が唯一持っていた人間的な立場、「猟師」が保てなくなると、あとに残った自分はなんだろう、と熊爪は考え、苦しむことになります。
熊爪は山での生活もままならず、集落との関わりが避けられない中で、陽子との関わりを深める事となります。
陽子は熊爪ではない男の子供を身籠っていましたが、熊爪に誘拐のように山中へ連れ出され、ともに住まうようになります。
衝撃的なラストシーン
陽子は出産し、熊爪は陽子と共に子供を育てていきます。
三人の生活は熊爪に徐々に変化を及ぼし、陽子は熊爪の子供を授かっても良い、と心境を話す様になります。
遂には、二人の子供が陽子に宿るのですが、それが大きな転機でした。
人間も獣
だとしたら、その時どうするのか。
衝撃的な展開の中で、読者自身が、生物としての自分を問いかけられるラストシーンです。
作品の見どころ
「ともぐい」はストーリーがまず魅力的ですが、なんと言っても河崎 秋子 先生の鬼気迫る表現が見どころです!
- 血が通う自然・対決
- 動物に例える表現
- 人間か、動物か
血が通う自然・対決
河崎 秋子 先生は家族に狩猟免許を持つ方があり、捕えた鹿を自分で解体していた、という経験を持っています。
自ら見聞を深めるに加え、日常の中で身につけた自然に対する造詣の深さは、他の作家の追随を許さない領域に達しいます。
熊との対決はもちろん、自然と人間が付き合っていく中で避けられない表現は、多くの読者が目を逸らしたとコメントを残す程。
一文の迫力は圧倒的と言えます。
動物に例える表現
熊爪は人を動物に例える癖があります。
翡翠(カワセミ)のような声だった…
また作中随所に動物を使った例えが表れ、世界観を形作る重要な要素となっています。
名前を出すだけでなく、手負いであったりと、持ち出した動物の心境を想起する状態を伴い、巧みに場面を味付ける面白いアイテムとして、注目したい点です。
人間か、動物か
前述したように凄まじい表現力で描かれる自然や、グロテスクなまでの戦いに加え、物語の中核にあるのは、人の心情です。
人間関係から生じる熊爪の運命をたどる表現には目を見張ります。
人間性と動物性に揺れる熊爪の心理を、読者がどう捉えるのか。
読者自身の生きる意味が問われています。
「ともぐい」口コミ
Amazonカスタマーレビューを参考にしています
☆5 | 50% |
☆4 | 27% |
☆3 | 12% |
☆2 | 5% |
☆1 | 5% |
引用:Amazon
「ともぐい」書店は品切れ続出!
発売当初、「ともぐい」を店頭販売で買うことは困難でした。
どの書店も在庫切れで、入荷待ちが100件を超えることがザラに見られました。
発売開始から3ヶ月となる現在でも、ヨドバシでは店舗在庫は0。
また他の書店でも在庫なしがところどころ見られ、ニーズの高さを物語っています。
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「ともぐい」ネタバレ情報|まとめ
「ともぐい」は、第170回 直木賞 受賞作!
- 「狩り」に生きる野獣のような男が、「狩り」を失う
- 人間性と動物性の間で揺れながら他者と関わる
- 衝撃的なラスト
生物としての人間を考えさせられるストーリーを、経験に基づく生々しい、比類のない表現力で書き出した300ページです。
店頭販売は未だ売り切れ気味。
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